
当社社有物件(昭和56年築・30戸)の入居者の方から「キッチンの床に水が浮いてきて大変です」と連絡が入り、至急、修理業者を手配して現地に同行したところ、システムキッチンの周辺のフロアタイルに確かに水が浮き出ていました。水の量はさほど多くなくじわっと染み出てきている感じです。
修理業者が順番にシステムキッチンの給水管や排水管をチェックしていき、行きついたのは結局共用の雑排水管のジョイント部分からの水漏れでした。原因は、経年劣化によるジョイント部分の錆びた部分に穴が開いていたから。応急処置として排水管のジョイント部分を水性ボンドで養生しましたが、修理業者にどのくらいもつのか聞いたところ「はっきりとは言えませんけど、5~6年ぐらいじゃないですか」とのこと。
ずいぶんな修理費用をかけてそのくらいしか持たないとわかり、鉄管の排水管の耐用年数を調べてみたところ、概ね25年くらいのようでした。要するに当社の社有物件はすでに、耐用年数を大幅に超えていたのです。恐らく今後も頻繁に今回と同様のトラブルが発生することを想定すると、事前防止策を講じたほうがいいのではないかと考えました。
そこで色々な工法を調べた結果、「FRPサポーター工法(立管ライニング)」にたどり着きました。提案書の書き方をそのまま書きますと、「エポキシ樹脂を含侵させたタフネスクロスを空気圧を利用して既設管内に挿入しライニング層を形成する」というもので、簡単な言い方をしますと、既設の排水管の内側にFRPの管を新たに形成する、といった感じです。 30戸のマンションですので工事期間は12日間かかりましたが、管の内部をDVDでビフォアーとアフターを確認しましたが、とても良い仕上がりになっていました。メーカーいわく、耐用年数は40年とのことで、メーカー保証期間が20年ついています。費用は結構掛かりますが、築古物件をご所有のオーナー様には物件を長期保有するための選択肢の一つだと思います。