
当社は不動産業者の中でも、ジャンルの間口が広い方かなと思っています。賃貸管理をメインに、賃貸仲介、売買仲介、駐車場管理、コインパーキング、事業用定期借地、リノベーション、DIY賃貸そして今日これから書かさせていただくバイクパーキングなどを生業にしています。
今回は、当社が管理しているバイクパーキングの敷地についてのお話です。
先日、この敷地のオーナーの娘さんから電話があり、オーナーが亡くなられたとの報告を受けました。平成19年からのお付き合いですので、13年のお付き合いになります。英語が得意な方で、90才になろうというのに自宅で英語教室をされていて、お子さんたちに英語を教えることをなによりの楽しみにされていた方でした。1年ちょっと前にお会いした時にはまだお元気でしたので、突然の訃報にご霊前を携えて御自宅にお参りをさせて頂きに伺いました。
その時に次女の方からバイクパーキングの敷地(ご自宅のすぐ隣地)のことをご相談されたのです。「この土地、父は家が建てられると言っていたのですが、建ちますか?」との質問。私はこの土地が市街化調整区域内の雑種地だと知っていたので「難しいと思います」とお応えしたら、「でも父がそう言っていたので調べてもらえますか?」とのご依頼。私も調査したわけではなかったので、市役所の都市計画課で調べてみることにしました。
愛知県は一部地域を除き、昭和45年11月24日に市街化区域と市街化調整区域とに線引きをしました。原則、市街化調整区域には家を建築することはできません。ところが市役所の担当者から「分家住宅の要件を満たしていれば、例外的に建築可能な場合もありますよ」と言われ、調べてみると次の要件を満たせば家を建てられる可能性があることが分かりました。
- 線引き前から本家が継続して、市街化調整区域において生活の本拠を有していること。
- 本家の世帯構成員であったものであること。
・本家となる者の3頭身以内の血族である者
・結婚していること又は婚約していること
・現に持ち家がないこと
・本家の跡取りが明確であること - 本家となる者が市街化区域に建築可能な土地を有していないことを名寄せ、資産証明により立証できること。
- 申請地は次のいずれかに該当するものであること
・本家となる者が線引前から所有する既存集落内又はそれに隣接する土地(一般分家)
・本家が生活の本拠を有する大規模既存集落内で線引後に取得した土地(大規模分家)
分家住宅という言葉は聞いたことはあったのですが、市街化区域の土地を扱うことがほとんどでしたので、正確な知識は残念ながら持ち合わせていませんでした。人生死ぬまで勉強です。お客様の一言で、又知識を得ることができました。おかげ様です。