
不動産の仕事をしていて、これがあるからやめられない的なうれしい場面があります。
私も不動産業界は長くなりましたので、色々なご縁でお仕事をさせて頂いてきたのですが、よほど苦労した案件か、お客様の人間性がとても印象深いかのどちらかの場合、結構覚えていることがあります。
ある日ポッカリできた時間に既成約のお客さんの名簿を整理していたら、18年前に今の事務所の近くの土地を売らさせて頂いたN様に目が留まりました。N様の土地を買っていただいた方がパイロットだったことも印象的だったのですが、初面談の時から何故か波長が合ったのと、自分も年を取るならこんな年の取り方をしたいなと思わせてくれる方でした。
そんな記憶もあり懐かしくなって、名簿の載っていた携帯の電話番号に思い切って掛けてみると、当時と全然お変わりのない声でN様が出てくださり、私のこともしっかり覚えてくれていました。その時は「お元気で何よりです」といった程度で終わったのですが、それから2カ月ほど過ぎたある日、N様から私宛にお電話を頂きました。用件は、現在所有している賃貸マンションを終活の一環として売却したい、ついては私に頼みたいとのこと。
結果として、私の知人に買ってもらったのですが、なによりも1本の電話をかけたことで昔のご縁が復活したこと、そして私のことを信用してくださったことが嬉しかったですね。これがあるから、この仕事はやめられません。